2010年1月27日水曜日

[2月号]GE出身者でも失敗する時

タイトル
GE出身者でも失敗する時
Are Leaders Portable?
 
著者
ボリス・グロイズバーグ
Boris Groysberg
アンドリュー・N・マクリーン
Andrew N. McLean
ニティン・ノーリア
Nitin Nohria
 
掲載
Februray, pp. 52- 56, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
経営者人材の宝庫といわれるゼネラル・エレクトリック出身者でも新しい環境で機能せず、不調に終わり、辞任に追い込まれていることがある。経営者として実力を発揮するには、その能力と環境の適合性がかぎとなる。
 
要約
「経営者のスキルは、ある環境から別の環境にそのまま移植できる」という仮説は正しいのだろうか?実際には、経営がうまくいくかは環境に大きく依存している。
ハーバード・ビジネススクールのリーダーシップに関するケース・スタディから、ある企業に好業績をもたらしたスキルと経験は、移籍先の経営環境が同じであれば、業績に貢献する。
組織の構成要素の一つである「人的資本」は以下の5つがある。(1)や(2)は経営環境が変ったとしても、すなわち、企業が変ったとしても、その能力を発揮できるものであるが、(4)や(5)は、その企業の中で能力開発していかなくてはいけない。
 
(1)経営関連人的資本(General Managment Human Capital)
資本、技術、人材といった経営資源を結集したり、育成したり、活用したりするスキル。リーダーシップ、意思決定能力、業務上の専門知識。比較的、移植し易い。
 
(2)戦略関連人的資本(Strategic Human Capital)
コスト削減、成長の牽引、製品サイクルが安定した市場における調整を遂行しているスキル。成長期にある企業同士では移植し易い。
 
(3)産業関連人的資本(Industry Human Capital)
特定業界の技術、規制、顧客、サプライヤーに関する知識。同じ業界内では移植しやすい。
 
(4)人間関係人的資本(Relationship Human Capital)
チームメンバーや同僚などとの人間関係に基づくもの。以前の会社での同僚を引き抜いてこれればよいが、一人で転職した場合には、自分で新しい社内人脈を構築しなければならない。
 
(5)企業固有人的資本(Company-Specific Human Capital)
企業固有の社内手続き、企業文化、不文律、システムやプロセスに関する知識。最も移植しにくい。が、CEOに限っては、よく知っているシステムやプロセスを導入・実践できるため、これまでの知識を応用できる可能性がある。
 
 
CEOを迎え入れる時には、実績と経歴を見るのは当然だが、そのCEO候補はどのような人的資本を持っているのか、新しい環境に移植可能なのか、どれくらい役に立つのかを事前に評価しておいた方が良い。そして、必ずしも相性は良くないと判断されても、取締役と経営陣はそれでも招聘するつもりならば、改革を覚悟すべきである。CEO候補の経験と自社の戦略をつぶさに比較し、システム面や戦略面における大胆な改革に取り組む意思があるならば、どこから人材を連れてきてもうまくいくだろう。
 
感想
CEOを迎え入れる時のお話。安易に、「●●出身だから」という肩書きに飛びつくなよ、ということ。CEO候補者、というより、管理職一般にいえる話として、その人が持っている能力を「人的資本」という名前をつけ、を移植性という点からまとめている。人的資本を5つに分類しているところが面白い。

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