マネジャーとリーダー:その似て非なる役割
Managers and Leaders: Are They Different?
著者
アブラハム・ザレズニック
Abraham Zaleznik
掲載
Februray, pp.24-27, 2010. (in Japanese Edition)
序文
リーダーとマネジャーは異なる人種であるにもかかわらず、ほとんどの人が同一視している。精神分析家でもあるアブラハム・ザレズニックは、心理学の知識と実証研究を通じて、目標、仕事観、人間関係、人格特性、育成方法における両者の違いを明らかにした。
要約
目標:
マネジャーは論理的で静的であり、仕事の必要性から生じてくるものである。そして、それは「それまでの組織」の文化と足跡に深く関連している。一方、リーダーは情熱的で能動的である。みずからアイデアを生み出し、組織の雰囲気を変え、人々のイメージや期待を喚起し、「組織の今後」を作っていく。
仕事観:
マネジャーはバランサー・調整役である。自らは議論にはあまり参加せず、「議長役」に回り、場に出た意見を集約し、権力を用いてそれらを調整し、それでもって問題解決を図っていく。一方、リーダーは新しい方法論・議論を自ら議論の場に持ち込む。言い換えるならば、マネジャーは選択肢を徐々に制限して解決策を決定していくが、リーダーは新たな選択肢を与える、あるいはどのような選択肢がありうる課を議論する。
人間関係:
マネジャーはあくまでバランサーとして合理的、かつ、公正に人に接する。一方、リーダーは本能的で、深く感情移入して人間関係を築く。
人格特性:
マネジャーは自らを組織の秩序の調整者・維持者と考え、その秩序があるからこそ自分は一個人として正当化され、報酬に預かることができると考える。一方、リーダーは自分は周囲から孤立(「独立している」というほうが正しいかもしれない)していると感じる傾向がある。リーダーは組織の中で働いていても、けっして組織に帰属することはない。つまるところ、マネジャーは所属する社会の秩序の維持のために、自らを調和させ、社会と一体化できる自己感を持っている。一方、リーダーは、そのような一体感をもたず、「自らの考えに、社会を調和させる」、すなわち変革を生じさせる傾向を持っている。
育成方法:
マネジャーは、組織について教え、人間関係におけるバランスを維持させる状況を体験させることによって、すなわち社会化を通じて成長する。一方、リーダーは内面的変化と社会的変化に向けて格闘させることによって成長する。マネジャーは、成長過程でいろいろな人から適度に愛情をかけてもらった人に良く見られる。一方、リーダーは強力な一対一の関係の中で、あるいはその関係が壊れてしまった場合に生まれてきやすい(要するに社会性がきわめて限定的な中で育った。悪い言い方をすれば、価値観の偏りがある)。才能ある人材が一対一の関係の中で自分がやりたいことを見つけられるかどうかは、自らもその才能を開花させており、親代わりとなって面倒を見てくれるような師にめぐり合えるかどうかにかかっている。
感想
ワンマンか、バランサーかという話。ワンマンにはリスクが伴う。どれだけ自分自身の考え方に自身が持てるか。どちらが良い悪いの話ではなく、理想を言うなら状況に応じて、リーダー的側面とマネジャー的側面の割合を変えられるのがよい。リーダーであるためには、自分自身の研鑽、センスの練磨は欠かせないということだろう。また、適切な「師」によってリーダー自身が導かれることも必要だということか。なんとなく納得できる。
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