2010年1月29日金曜日

[2月号]Y理論は万能ではない

タイトル
Y理論は万能ではない
Beyond Theory Y
 
著者
ジェイ W. ローシェ
Jay W. Lorsch
ジョン J. モース
John J. Morse
 
掲載
Feburary, pp.114-119, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
ダグラス・マクレガーの「X理論とY理論」は必ずしも機能しない場合がある。業務と組織と人材がフィットした時に「センス・オブ・コンタンス」が高まり、パフォーマンスが高まるというコンティンジェンシー理論について説く。
 
要約
要するに、状況によってベストパフォーマンスを出せる社員像は変る。在るべきマネジメント方略も変る。「X理論・Y理論でY理論があるべき姿」と安直に考えてはいけない、という話。
 
業務と組織と人材の3つがフィットしている=センス・オブ・コンピテンスが高まる=組織のパフォーマンスが高まる
 
 
感想
1970年の論文だということを考慮しないといけないだろう。
固定的でルーティン化された作業においては、X理論に基づいた管理の方が良い。不定型でクリエイティブな作業においてはY理論の方が良い。
ただ、それとて程度がある。
結局、「どのような作業なのか」に見合った管理が必要だということ。
 

[2月号]MBO失敗の本質

タイトル
MBO失敗の本質
Management by Whose Objectives?
 
著者
ハリー・レビンソン
Harry Levinson
 
掲載
Feburary,pp.110-113, 2010 (in Japanese Edition)
 
序文
「目標管理制度」(MBO)は、ほとんどの組織で導入されているが、業績評価指標を過剰に重視したり、組織と個人の目標が乖離したりしていることがある。MBOを効果的に実践するための3条件とその前提と成る要素について解説する。
 
要約
要するに、MBOが失敗するパターンとしては、
社員のニーズ・ウォンツのことを考えず、会社の経営方針・市場へのコミットメントに基づいて現場の目標が設定され、それを結局社員に押し付けるというパターン。
ありがちな意見として、「経営陣の皆さんはわたしがかいしゃのもくひょうを実現する一方で、私自身が求めることにどれくらい支援してくれるのでしょうか」。
 
結局、人は、自分自身の個人的な目標の達成のために行動するときに最もモチベーションが生じる。(その個人的目標が組織が求めるものと合致している場合もあれば、合致していない場合もある)
 
あくまでMBOの目的は、社員の個人的ニーズ・ウォンツ・会社に対して求める事柄と、組織のニーズ・ウォンツ・個人にもどめる事柄を互いに出し合い、コミュニケーションを通じて、Win-Winとなるような目標を設定することである。それが、会社側も止める行動への社員のモチベーションを最も高めるための方法である。
 
MBOの実効性を高める3条件
(1)動機を検証する
(2)グループを単位とする
(3)評価者を評価する。(管理者⇒部下だけではなく、部下⇒管理者の評価)
 
 
感想
現状、うまく回っていないMBOは、目標をマネジメントしてるのではなく、目標をコントロールしている。(マネジメントは、支援的要素も含まれるが、コントロールでは支配的要素が中心となる)。文字通り「目標を管理している」。また、個人レベルにとどまっている。つまり、「個人の目標を管理している(支配している)」。本来あるべきは、「個人の目標をマネジメントすることという方法で、チームを管理すること」である。あくまで、MBOはチーム・マネジメントのための手段であることを忘れていはいけないだろう。

2010年1月28日木曜日

[2月号]ピグマリオン・マネジメント

タイトル
ピグマリオン・マネジメント
Pygmarion in Management
 
著者
J. スターリング・リビングストン
J. Sterling Livingston
 
掲載
Feburary, pp.106-109, 2010 (in Japanese Edition)
 
序文
教師の期待や働き掛けが生徒を伸ばすという発見はピグマリオン効果と呼ばれるが、マネジメントの現場でもやはり上司の期待と信頼が部下を育てるのだ。
 
要約
部下に寄せられた期待通りに(その期待が良い期待であれ、悪い期待であれ)、部下はパフォーマンスを出してくる。
こうなると良い期待をもて、悪い期待は持つな、という話になるが、それは難しい。悪い期待は生じるものだし、隠そうとしても、にじみ出てくるものだからだ。
また、マネジャーの期待が、部下が実現可能なもの出なければ、その期待はインセンティブにならない。
優秀なマネジャーは、まず第一に、自分自信の、部下を選抜し、訓練し、動機付ける能力に自信を持っている。部下たちをどのように信頼し、何に期待し、どのように教育訓練すればよいかと言った問題は、マネジャーが抱いている自身の程度に影響される。
 
ところで、ピグマリオン効果はスパイラルプロセスであり、その起点は入社1年目にある。この一年目において優秀なマネジャーと出会い、適切な期待をかけられていた場合には、そこからスパイラルプロセスが始まり、その後も継続して高い自己イメージを保持し、自分の仕事や雇い主にポジティブな姿勢を持つようにもなり、高いパフォーマンスを発揮する。しかし、実際には、新人の頃に付くのは、そこまで優秀なマネジャーではなく、まだ経験が浅く社内では全く力のないラインマネジャーである。その結果、自分の才能を伸ばしてもらえない、活用されていないことに気付き、やがて仕事や雇用主、自分自身の昇進に後ろ向きの姿勢を示すようになる。
 
産業界で最も大きな問題とは、結局、「最も価値の高い資源、すなわち若手社員やプロフェッショナルな才能を育成・活用することが遅れていること、またそれを管理・利用する能力がマネジャーたちに不足していること」である。
 
感想
期待と相互の信頼が必要だという話。
特に、相手に期待を持つためには自分自身に対しても期待感を持っていなければならない、という点は面白い。
まあ、これは期待というより有能感のことだなぁ。人を見抜くということへの有能感。
 
期待・信頼・有能感(自身への)。

[2月号]モチベーショナル・リーダーの条件

タイトル
モチベーショナル・リーダーの条件
Power Is the Great Motivator
 
著者
デイビッド C. マクレランド
David C. McClelland
デイビッド H. バーナム
David H. Burnham
 
掲載
Februray, pp. 102- 105, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
マネジャーの動機のパターンを分析すると優れたマネージャは、組織全体の利益のためにその権力を行使したいという動機を持っていた。
 
要約
大規模で複雑な組織のマネジャーの場合、成功に必要な一切合財の仕事を自分の手でやり切れるわけではない。部下たちを動かし、組織のために働かせなければならない。
マネジャーの仕事は一人で優れた成績を上げるものよりも、うまく人を動かせるものに向いているようだ。したがって、モチベーションという点からすれば達成動機よりも権力動機の強い人がマネジャーとして成功すると期待される。つまり、達成動機だけが強く、権力動機・親和動機が弱い人間は、正論は言うが、「その正論に周りを従わせる」ということに興味が向かないので、マネージャーには向かない。このことは、ケーススタディからも実証された。
 
ただ、この権力動機は、「マネジャーの権力を拡大し、権限を振りかざす」という方向ではなく、組織全体の利益となるようにチームに前向きなインパクトを与え、強い立場から影響力を行使しチームをコントロールという方向に向いていなければならない。また、親和動機と混同してもいけない。
 
優秀なマネジャーとは、部下にエネルギーと責任感をみなぎらせ、成績に応じた報酬を適切に与え、部下が自分のやるべきことを認識できるような秩序ある組織を整えている人のことである。また、部下に強いチーム・スピリットを培い、チームの一員として働くことに誇りを感じさせるようにしなければならない。
 
親和動機が強いマネジャーは部下と良好な関係を保つことに意識が向かい、「なぁなぁ」の関係が生じ、「例外」に走る傾向が強くなる。このようなマネジャーの場合その例外が不公平に映る。
 
注意しなければならないこととして、優秀なマネジャーの特質は他にも考慮すべきことがある。また優れたマネジャーの権力動機は自分の地位や名誉に向けれられ、それを獲得することではなく、自分が属する組織に向けられる。(つまり、組織の目標達成にむけて「人をコントロール」する、ということである)
 
マネジャーには以下の3タイプがいる。
組織志向マネジャー:
権力動機が高く、親和動機は低く、抑制力が高い。
組織的な権力に関心を抱き、それをテコに部下を動機づけ生産性を高める。
部下は、責任感を強く感じるようになる。
このタイプのマネジャーは明確な組織作りを目指して、高いチーム・スピリットを醸成するので、部下のモラールも高まる。
 
親和志向マネジャー:
権力動機よりも親和動機が強い人。
部下はエンパワーメントされておらず、組織の手続きは曖昧で、自分のチームの仕事にあまり誇りを感じていない。
理性よりも感情で判断したり、その場の人間関係に左右されて場当たり的な決断を下したりすることが多い。
手続きが無視されているため、部下は自分の権限は弱く、責任を与えられていないと思うようになり、次にどうなるのか、自分はマネジャーと比べてどのような立場にあるのか、あるいは自分が何をすべきなのかさえ、わからなくなってしまう。
 
個人権力志向マネジャー:
親和動機よりも権力動機が強く、抑制力は弱い人。
自制心にやや欠けるため、組織作りで失敗する。彼らの部下たちは所属部門というよりは、上司個人に尽くそうとする。
 
伝統的な組織心理学では、権威主義的マネジメント=悪とされてきた。しかし結局のところマネジメントとは影響力を行使しあうゲームである。今回の主張は、これまでの行動科学における調査と矛盾するように見えるが、それは、我々が「動機」の話をしているのに対して、行動科学者は「行動」の話をしていることにある。我々の観点は、あくまで、「それに興味関心を抱く傾向」(動機)を対象にしており、「なぜ、それに興味を持っているのかや、その目的達成の手段としての具体的な行動」を対象にしているのではない。
 
我々の主張は、マネジャーは影響力を行使しあうゲームを、統制されたアプローチで進めることに関心を払うべきだということであり、権威主義的行動に訴えるべきとするものではない。あくまで、民主的に権力を行使しながら行動することが優れたマネジャーの条件である。
 
 
感想
アメリカ文化での労働者のモチベーション管理と、日本文化での労働者のモチベーション管理は異なる気もする。果たして日本で親和動機と権力動機のモラールへの関連はどうなのだろうか。また、もともと1976年の論文であることにも注意が必要。
 
マクレランド自身が書いている論文なので、マクレランドが達成動機・権力動機・親和動機という言葉にどういう意味を込めていたのかが垣間見える。正直、今までの自分の認識が間違っていたのではないかと考えさせられる。「権力動機が強い=人の上に立ちたい=悪」という図式がどうしても頭に浮かぶが、どうも違うようだ。権力動機とは「人をコントロールする」ということを「欲する」「それを獲得することを目的にする」というより、「そういうことが起こるような行動や意思決定をとることが多い」というその人のパーソナリティをさしている。そこには、「それが良い悪い」は含まれていない。
 
結局「人の世」で、「組織」で、組織的に何かを達成するためには、リーダーは適切に影響力を行使することが求められる。
 
「権力動機がない」という言い方をすると分かり易い。それは、つまり「人を支配下に置く・人に影響力を及ぼす」ということに「興味が向かない人」ということ。そういう人は、ネガティブに言えば、周りを見ずにスタンドプレーに走る可能性がある。個人レベルの仕事ならそれでもいいかもしれないが、組織レベルの仕事となるとそういう人は、自分の責任で(周りがうまく回るように心を砕かないため)周りに足を引っ張られて良い成果を上げられなくなる。ということ。
 
「権力動機がある人」とは、「人を支配下に置く・人に影響力を及ぼす」ということに「興味が向かない人」のこと。ここで注意しないといけないのは、この興味は、その人の特性みたいなもの。「個人的権力を欲するため」や「組織目標を達成するため」という、「人を支配下に置く・人に影響力を及ぼす」ということに「興味」の理由の、さらに根元には、「社会」というものを意識しやすい傾向があるということ。そして、権力動機は、その傾向のことをさしている。
 
 

[2月号]「自分らしさ」のリーダーシップ

タイトル
「自分らしさ」のリーダーシップ
Discovering Your Authentic Leadership
 
著者
ウィリアム W. ジョージ
William W. Geroge
ピーター シムズ
Peter Sims
アンドリュー N. マクリーン
Andrew N. McLean
ダイアナ メイヤー
Diana Mayer
 
掲載
Februray, pp. 64- 68, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
一流のリーダーを真似たところで、一流になれることはない。第一線のリーダー125人へのインタビュー調査の結果から、「自分らしさを貫く」ことがリーダーの試金石であることが明らかになった。
 
要約
自分らしさを貫くリーダーは自らの目標に情熱的に取り組み、自らの価値観をぶれることなく実践し、知識だけでなく感情の面から人々を引っ張っていく。実りある人間関係を長期的に築き、みずからを律することで結果を出す。「理想のリーダー像」というものは存在しない。共通の特徴やスキル、スタイルというものは無いのだ。在るのは、彼ら・彼女らは「自分らしく振舞っている」ということだけである。
 
大切なことは、己を見返し、「自分はどのような人間か」をいうことを自分で認識することである。それは、「こうありたい」とか「こうであるはずだ」というのではなく、客観的に自分はどういう人間か、どういう価値観を持っているのか、ということを認識することである。
 
感想
まさに、「自己認知」の重要性を説いたもの。自分がどういう人間で、どういう価値基準を持っているのかということを知ることは必要なんだろうね。

[2月号]自問と自省のすすめ

タイトル
自問と自省のすすめ
What to Ask the Person in the Mirror
 
著者
ロバート・スティーブン・キャプラン
Robert Stevern Kaplan
 
掲載
Februray, pp. 58- 61, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
昇進の階段を上るにつれて、率直にアドバイスしてくれる人が減っていき、自分の仕事振りを正しく認識で着なくなり、成功の道から外れてしまう。このような落とし穴を避けるためには、虚心坦懐に自問自答し、内省することが不可欠だ。
 
要約
リーダーたちは定期的に次の7つの質問について説明するべきである。こういう自問自答をすることによって仕事から一歩離れ、重要な問いに答える時間を設けることで、自分のパフォーマンスを改善し、深刻なビジネス上の問題が生じるのを未然に防げるのだ。
  1. どれくらいの頻度でビジョンを伝えているか。何がビジョンであり、何が優先課題なのかと問われて、部下たちは答えられるか
  2. 私はどのように時間を使っているのか
  3. 部下たちに行動を起こすきっかけとなるようなフィードバックをタイミングよく与えているか。耳が痛いとはいえ、聞かなければならない話をしてくれる年下の社員が5,6人いるか
  4. 頭の中では、後継者候補を少なくとも一人、あるいは数人選んでいるか
  5. 私はアンテナを張り巡らして事業環境の変化を察知し、それに応じて事業を見直したり、運営方法を変えたりしているか
  6. プレッシャーが掛かると、どのような行動に出るか。その行動は、部下たちにどのような信号を送っているのか。
  7. 自分のリーダーシップ・スタイルは本当の私をキチンと反映しているのか。自分の考えをもれなく伝えられているか、それとも遠慮しがちになってはいないか。当たり障りのない言動が多くないか。昇格やボーナスのことが気になるあまり、手加減したり、自分の意見を言うことをためらったりしてはいないか
 
感想
自律に向けての具体的自問項目。非常に分かり易い。いいなぁ。みんなが常々これを思い浮かべながら行動してくれてたらいいのに。というか、まずは自分が意識することだな。

2010年1月27日水曜日

[2月号]GE出身者でも失敗する時

タイトル
GE出身者でも失敗する時
Are Leaders Portable?
 
著者
ボリス・グロイズバーグ
Boris Groysberg
アンドリュー・N・マクリーン
Andrew N. McLean
ニティン・ノーリア
Nitin Nohria
 
掲載
Februray, pp. 52- 56, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
経営者人材の宝庫といわれるゼネラル・エレクトリック出身者でも新しい環境で機能せず、不調に終わり、辞任に追い込まれていることがある。経営者として実力を発揮するには、その能力と環境の適合性がかぎとなる。
 
要約
「経営者のスキルは、ある環境から別の環境にそのまま移植できる」という仮説は正しいのだろうか?実際には、経営がうまくいくかは環境に大きく依存している。
ハーバード・ビジネススクールのリーダーシップに関するケース・スタディから、ある企業に好業績をもたらしたスキルと経験は、移籍先の経営環境が同じであれば、業績に貢献する。
組織の構成要素の一つである「人的資本」は以下の5つがある。(1)や(2)は経営環境が変ったとしても、すなわち、企業が変ったとしても、その能力を発揮できるものであるが、(4)や(5)は、その企業の中で能力開発していかなくてはいけない。
 
(1)経営関連人的資本(General Managment Human Capital)
資本、技術、人材といった経営資源を結集したり、育成したり、活用したりするスキル。リーダーシップ、意思決定能力、業務上の専門知識。比較的、移植し易い。
 
(2)戦略関連人的資本(Strategic Human Capital)
コスト削減、成長の牽引、製品サイクルが安定した市場における調整を遂行しているスキル。成長期にある企業同士では移植し易い。
 
(3)産業関連人的資本(Industry Human Capital)
特定業界の技術、規制、顧客、サプライヤーに関する知識。同じ業界内では移植しやすい。
 
(4)人間関係人的資本(Relationship Human Capital)
チームメンバーや同僚などとの人間関係に基づくもの。以前の会社での同僚を引き抜いてこれればよいが、一人で転職した場合には、自分で新しい社内人脈を構築しなければならない。
 
(5)企業固有人的資本(Company-Specific Human Capital)
企業固有の社内手続き、企業文化、不文律、システムやプロセスに関する知識。最も移植しにくい。が、CEOに限っては、よく知っているシステムやプロセスを導入・実践できるため、これまでの知識を応用できる可能性がある。
 
 
CEOを迎え入れる時には、実績と経歴を見るのは当然だが、そのCEO候補はどのような人的資本を持っているのか、新しい環境に移植可能なのか、どれくらい役に立つのかを事前に評価しておいた方が良い。そして、必ずしも相性は良くないと判断されても、取締役と経営陣はそれでも招聘するつもりならば、改革を覚悟すべきである。CEO候補の経験と自社の戦略をつぶさに比較し、システム面や戦略面における大胆な改革に取り組む意思があるならば、どこから人材を連れてきてもうまくいくだろう。
 
感想
CEOを迎え入れる時のお話。安易に、「●●出身だから」という肩書きに飛びつくなよ、ということ。CEO候補者、というより、管理職一般にいえる話として、その人が持っている能力を「人的資本」という名前をつけ、を移植性という点からまとめている。人的資本を5つに分類しているところが面白い。

2010年1月22日金曜日

[2月号]新任CEOの当惑

タイトル
新任CEOの当惑
Seven Surprise for New CEOs
 
著者
マイケル  E. ポーター  
Michael E. Porter
ジェイ W.ローシェ
Jay W. Lorsch
二ティ ノーリア
Nitin Nohria 
 
掲載
Februray, pp. 48- 51, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
新任CEOは就任と同時に、みずから想像していたのとは大きく異なる現実に直面する。目の前に立ちはだかる、7つの「意表をつく事実」に着目することで、CEOとしての大成を左右する、リーダーシップの本質が浮かび上がってくる。
 
 
要約
新任CEOがCEOに就任してから「意表を突かれた」と思う事実は7つある。
  • 事実1:経営を担っているのはCEOではない。
    • (兎に角時間が無く、事業を成功させる責任を負っているにも関らず、大規模で複雑な意思決定を一手に引き受けることができない。事業そのものに携われるチャンネルは非常に限られている)
  • 事実2:命令を下すことはリスクが高い。
    • 与えられた強大な権限でもって命令を出すと、逆に自らの実権を弱め、CEOと組織のエネルギーを削ぎ、発展を遅らせる。むしろ、経営幹部を巻き込む方法を探し出し、判断の基準を「独自に設定」するのではなく、基準について合意を形成するべきである)
  • 事実3:社内の現実を把握できない
    •   手元には洪水のごとく情報が送られてくるが、信頼に足る情報は極めて少ない。よきにつけ悪しきにつけ、各人の思惑によってふるいにかけられた情報となる。
  • 事実4:CEOの言動一つ一つがそのままメッセージとなる。
    • CEOは自分たちの言葉が多大な影響を与えることを想像していはいるが、実際にはその想像以上に、影響を与えるメッセージとなる。
  • 事実5:取締役会は「上司」とである
    • CEOはヒエラルキーの頂点にいるが、取締役会への報告義務を負っている。また、昨今取締役会はその威信を高めており、従来にもまして取締役会への対応に配慮しなければならない。それはあたかも、取締役会という上司がいるかのごとくである。
  • 事実6:企業の目標は短期利益の追求ではない
    • CEOはすべての株主を喜ばせようとして右往左往してはならない。それは不可能である。重要なのは目先の成長見通しでも、株価でもなく、長期的視点で見た収益性であると肝に銘じておく必要がある。
  • 事実7:CEOといえども一人の人間にすぎない
 
感想 

[2月号]カリスマ型リーダーはもういらない

タイトル
カリスマ型リーダーはもういらない
We Don't Need Another Hero
 
著者
ジョセフ  L. バダラッコ, Jr. 
 Joseph L. Badaracco, Jr. 
 
掲載
Februray, pp. 41- 45, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
いつの時代も、華々しいリーダーシップに注目が集まるが、現実を見据えた上で、問題を解決する「物静かなリーダーシップ」は、より現実的で効果が高く、持続可能なアプローチとして有効である。 
 
要約
ビジネスの世界での最も有能なモラル・リーダーは、マッチョなヒーローではなく、辛抱強く、慎重に、少しずつ着実に前進し、目立たないように、職場で不正を正す、あるいは防ぐ。 
こうした「物静かなリーダーシップ」には以下のような4つの原則がある。
  • 性急に事を起こさない
  • 無用な戦いは避ける
  • 規則を曲げるが破りはしない
  • 妥協点を見つける
(なお、「規則を曲げる」 とは、「倫理」と「状況」とを照らして、あえて規則を曲げてでもより大きな責任を果たす道を選ぶということである。)
 
「物静かなリーダー」は決して英雄ではない。しかし、人間関係が絡む厄介な問題の大半は、トップにいる人間の華々しい努力では解決しない。こうした問題を解決するのはスポットライトから遠い位置にいる人たちのたゆみない努力によってである。

感想 
本当に優秀なリーダーは、「物静かなリーダー」である。つまり、問題が起こる前に事前に問題の芽を摘むことが出来る。事前に問題の芽を摘むので組織には問題が起こらない。なので、組織は「静かに」なものとなる。なお、ここでの「問題の芽を摘む」というのは、「今の仕事の仕方では、こんな問題が生じ得る」という「まだ起こっていないが、起こりえる」問題に気付いて、その問題が起こりえないような仕事の仕方にするということである。(例えば、人が絡めば問題が起こるのだから、人が絡まないようにする、といった感じのこと)
 

[2月号]悪徳リーダーに学ぶもの

タイトル
悪徳リーダーに学ぶもの
Leadership-Warts and All
 
著者
バーバラ・ケラーマン
Barbara Kellerman   
 
掲載
Februray, pp. 40- 43 , 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
 リーダーの肯定的な部分にばかり注目していては、リーダーシップの何たるかを知ることは出来ない。悪人のリーダーからも学ぶところは多いはずであり、その両面性を踏まえて、初めてリーダーシップの全体像がつかめるのではないだろうか。
 
要約
「威圧的なリーダーシップ」というだけで悪と取られることは多い。 リーダーは道徳の一概念ではない。問題は、リーダーに対し、「リーダーゆえに、信頼でき、勇敢かつ、寛容でなければ成らず、決して人を騙したり、臆病であったり、良く深かったりしてはいけない」として、自らをごまかすような行いをさせかねないことである。自らの欠点に気付き、これを管理できた時だけ、人として、そして社会として偉業を成し遂げられる。
 
感想 
先のカリスマ性とも通じる話か。ただ、今度はカリスマ自身に対する教訓。前のは、カリスマを呼び寄せる取締役会に対する教訓 

[2月号]カリスマCEOの呪縛

タイトル
カリスマCEOの呪縛
The Curse of the Superstar CEO
 
著者
ラケシュ・クラーナ
Richard S. Tedlow 
 
掲載
Februray, pp.36-39, 2010. (in Japanese Edition)
 
序文
CEOには何より「カリスマ性」が期待されるが、現実には業績との相関性は乏しく、企業文化が損なわれたり、赤字や破綻にいたるケースも少なくない。本当にカリスマCEOが必要なのか、理性的な判断が求められる。
 
要約
カリスマCEOを誰もが求めるが、そこには以下のような問題がある。
  1. ほとんど信仰に近いため、CEOが与えうる影響が過大評価されている。
  2. 「CEOにはカリスマが必要だ」という(多くの場合誤った)信念のために、有力なCEO候補が見過ごされ、CEOの仕事に向いていない人がCEOに着いてしまう。
  3. 「組織の安定性」という点からは、良い悪いは別にして、脅威である。その脅威が危険すら招く。
実際に大きな出来事は社会的要因や経済的要因、偶然などのそのときの状況に大きく依存しているが、人には、「根本的な帰属エラー(Fundamental Attribution Error)」があるため個人の影響を過大評価する傾向がある。実際には、業績変動の30〜45%が業界の事情に、10〜20%が経済全般の要因に帰属するという調査結果が多い。(逆に言えば、企業の業績が落ち込むと、取締役会はそのときの情勢を省みずに、反射的にCEOを非難し始める。)
 
また、「組織の安定性」という点でみても、過去のカリスマと呼ばれたCEOたちは「故意に組織の安定を崩す」ところがある。安定の喪失は、さらに活気ある企業に変革させる効果もある。しかし、組織内が混乱するという場合も多い。また、CEOの一個人の力量だけに基づいたシステムでは、「何代にも渡ってカリスマ・リーダーが続く」と期待する形となり、結局運任せの不安定な組織ということなる。要するに、そのカリスマが去った後には組織には問題が山積みとなる。
 
信仰が悪いわけではない。信仰心というものが、「カリスマために汗を流して頑張る」ということを引き出すからである。しかし、大切なことは、「カリスマ(=「過去の栄光」)を持った人」として信仰する前に、そのCEOが実際に会社をどのような方向に導こうとするのか、その方向は将来有望な方向なのか、競争力が引き出せる方向なのかを検討する必要がある。すすなわち、「信仰と理性」の両方が必要となる。

感想
勿論カリスマは必要だろうけど、それだけではダメだという話。
 

2010年1月20日水曜日

[2月号]偉大な企業家たちに学ぶリーダーシップ

タイトル
偉大な企業家たちに学ぶリーダーシップ
What Titans Can Teach Us

著者
リチャード S. テッドロウ
Richard S. Tedlow 

掲載
Februray, pp.32-35, 2010. (in Japanese Edition)

序文
アメリカ産業界には、歴史に名を刻んだ多くの巨人たちがいる。彼らを模倣すれば、同じような成功を手にすることができるわけではないが、その軌跡から学び取れることは決して少なくない。

要約
巨人たちの共通点として、次の5つがある。
(1)ビジョンを実現するために勇気を持って市場に臨む
特記:巨人たちは、市場の可能性を天性の嗅覚で感じ取った。あるいい天才であった。ただ、それだけでなく、自身のビジョンに「賭ける」勇気も持っていた。高い実行力を発揮して才能を生かし切り、ひるむことなく伝統の殻を打ち破ったのだ。

(2)ビジョンを自社のミッションへと昇華させ、顧客、社員、株主に調和の取れたメッセージを送る。
特記:ここでいう「調和の取れたメッセージ」とは、つまるところ、経営者自身による自身のビジョンと首尾一貫した行動の体現であり、経営者自身が会社員の模範を示すことである。

(3)周囲に公言した以上のことを成し遂げる
特記:(特になし)

(4)成功を目指して、頑ななまでに努力を続ける。
特記:目的達成のためには、情に流されず、犠牲を払うこともいとわず、慈善活動に参加したりしている間も、片時も事業のことを忘れなかった。

(5)後ろを振り返らない。
特記:どれほど深刻な危機に遭遇しようとも決して絶望しない。けっして立ち止まらない。ひるむことなく未来だけを見据え続ける。「みずからの力を切り開く」と固く心に誓っている。傲慢ではなく、ゆるぎない自身を胸にたたえている。

感想
まあ、そうだろうなという感じ。大切な教訓ではある。

2010年1月19日火曜日

[2月号]対話が組織の実行力を高める

タイトル
対話が組織の実行力を高める
Conquering a Culture of Indecision

著者

ラム・チャラン
Ram Charan

掲載
Februray, pp.28-31, 2010. (in Japanese Edition)

序文
意思決定が確実な実行プロセスに移されるためには「対話」が重要な役割を果たす。組織に対話を持ち込み、決断力のある組織へ変革するプロセスを紹介する。

要約
優柔不断な組織文化を改めるためには、まず第一に社員に率直な態度を学ばせ、信頼関係をはぐくむことができるリーダーが必要である。リーダーは「意思決定を導く対話」を、組織における対話のスタイルとして確立しなければならない。そのための方法とは、すなわち、リーダー自身が社員と接触するたびにオープンで正直な態度で対話に臨み、それを通じて「意思決定を導く対話」というものを実践することである。

次いで、「組織運営メカニズム」、すなわち、経営委員会や予算会議などの企業にとって重要事項を決定する場を「率直な対話」が交わされるようなものにすることである。

そして、3つ目のステップとして、フォロースルーとフィードバックを与えることである。これら2つでもって、優れた実績を上げたものには報い、苦戦している社員にはコーチングを行い、企業成長のネックとなるものの行動を改めなければらない。

感想
優柔不断で腰の重い風土を如何に変革するか。風通しのよい対話・雰囲気を作るということが大切であるが、具体的に方法を示しているところが今後の参考資料として使えそう。

2010年1月18日月曜日

[2月号]マネジャーとリーダー:その似て非なる役割

タイトル
マネジャーとリーダー:その似て非なる役割
Managers and Leaders: Are They Different?

著者

アブラハム・ザレズニック
Abraham Zaleznik

掲載
Februray, pp.24-27, 2010. (in Japanese Edition)

序文
リーダーとマネジャーは異なる人種であるにもかかわらず、ほとんどの人が同一視している。精神分析家でもあるアブラハム・ザレズニックは、心理学の知識と実証研究を通じて、目標、仕事観、人間関係、人格特性、育成方法における両者の違いを明らかにした。

要約
目標:
マネジャーは論理的で静的であり、仕事の必要性から生じてくるものである。そして、それは「それまでの組織」の文化と足跡に深く関連している。一方、リーダーは情熱的で能動的である。みずからアイデアを生み出し、組織の雰囲気を変え、人々のイメージや期待を喚起し、「組織の今後」を作っていく。

仕事観:
マネジャーはバランサー・調整役である。自らは議論にはあまり参加せず、「議長役」に回り、場に出た意見を集約し、権力を用いてそれらを調整し、それでもって問題解決を図っていく。一方、リーダーは新しい方法論・議論を自ら議論の場に持ち込む。言い換えるならば、マネジャーは選択肢を徐々に制限して解決策を決定していくが、リーダーは新たな選択肢を与える、あるいはどのような選択肢がありうる課を議論する。

人間関係:
マネジャーはあくまでバランサーとして合理的、かつ、公正に人に接する。一方、リーダーは本能的で、深く感情移入して人間関係を築く。

人格特性:
マネジャーは自らを組織の秩序の調整者・維持者と考え、その秩序があるからこそ自分は一個人として正当化され、報酬に預かることができると考える。一方、リーダーは自分は周囲から孤立(「独立している」というほうが正しいかもしれない)していると感じる傾向がある。リーダーは組織の中で働いていても、けっして組織に帰属することはない。つまるところ、マネジャーは所属する社会の秩序の維持のために、自らを調和させ、社会と一体化できる自己感を持っている。一方、リーダーは、そのような一体感をもたず、「自らの考えに、社会を調和させる」、すなわち変革を生じさせる傾向を持っている。

育成方法:
マネジャーは、組織について教え、人間関係におけるバランスを維持させる状況を体験させることによって、すなわち社会化を通じて成長する。一方、リーダーは内面的変化と社会的変化に向けて格闘させることによって成長する。マネジャーは、成長過程でいろいろな人から適度に愛情をかけてもらった人に良く見られる。一方、リーダーは強力な一対一の関係の中で、あるいはその関係が壊れてしまった場合に生まれてきやすい(要するに社会性がきわめて限定的な中で育った。悪い言い方をすれば、価値観の偏りがある)。才能ある人材が一対一の関係の中で自分がやりたいことを見つけられるかどうかは、自らもその才能を開花させており、親代わりとなって面倒を見てくれるような師にめぐり合えるかどうかにかかっている。


感想
ワンマンか、バランサーかという話。ワンマンにはリスクが伴う。どれだけ自分自身の考え方に自身が持てるか。どちらが良い悪いの話ではなく、理想を言うなら状況に応じて、リーダー的側面とマネジャー的側面の割合を変えられるのがよい。リーダーであるためには、自分自身の研鑽、センスの練磨は欠かせないということだろう。また、適切な「師」によってリーダー自身が導かれることも必要だということか。なんとなく納得できる。

2010年1月16日土曜日

[2月号]マネジャー研修とリーダ-教育は異なる

タイトル
マネジャー研修とリーダ-教育は異なる
Good-Bye, Corporate University

著者

ジョン P.コッター
John P. Kotter

掲載
Februray, pp.20-23, 2010. (in Japanese Edition)

序文
リーダーシップ論のグールー、ジョン P. コッターはアメリカの企業内大学は、マネジメント教育をリーダーシップ教育と混同している、と指摘する。

要約
現在の「企業内大学」は、リーダーを育てているのではなく、マネジャーを育てているだけだという指摘。
現在の企業内大学は、人事部が企画運営するプログラムの一つでしかなく、トップ・マネジメントたちが考える企業像やビジネスの実態とのリンケージが弱い。

リーダーシップ
 人と企業文化に訴えかけることで機能する、柔軟でダイナミックなもの
マネジメント
 階層とシステムを通じて機能する、論理的でスタティックなもの

コッターが言う「本来のリーダーシップ」は、「ビジョンと戦略を描き、これらを実現させるために人々を結集し、彼等彼女等をエンパワーメントするなど、様々な障害を乗り越えて変革を実現させる原動力であり、トップ・マネジメントのみならず、あらゆる階層のマネジャーに求められる能力」である。

企業内大学を創設することは手段であり、大切なのは、「企業が成功するためには何が必要なのか」を明確にし、どのような人材スペックが必要なのかを考え、それを開発する上で、企業内大学が有効かどうか、その目的や使命は何かを考えることである。

感想
まさに価値観教育の重要性を説いている。「会社としてどういう方向に進むのか」というものを社員全員が共有していることが望ましいが、そのような状態への第一歩として、少なくともリーダーはこれを十分に共有しておくべきであり、リーダー候補生は「方向性」というものを十分に学ぶ必要がある。これは私見だが、マネジメント手法の研修も必要なのは確かだが、価値観の共有なくして、マネジメントというものが成り立つとは思えない。まずは価値観教育が必要だろう。

2010年1月15日金曜日

[2月号]企業変革の落とし穴

タイトル
企業変革の落とし穴
Leading Change: Why Transformation Efforts Fail

著者
ジョン P.コッター
John P. Kotter 

掲載
Februray, pp.16-19, 2010. (in Japanese Edition)

序文
変革の必要性が声高に叫ばれても、うまくいくケースはきわめて稀だ。組織の構成メンバーが変革を望んでいながらなぜか失敗してしまう。変革を成功に導く8つの心得を学ぶ。

要約
変革には以下の8つのステップがあり、また、それぞれに以下のような落とし穴がある。
  1. 緊急課題であるという認識の徹底 
    * 落とし穴:「変革は緊急課題である」ということが会社に徹底されていない。
    ← 徹底した市場分析と現状の問題の議論が必要。
  2. 強力な推進チームの結成
    * 落とし穴:変革推進チームのリーダシップが不十分である。
    ← 変革プログラムを率いる力のあるグループを結成する。そのグループを一つのチームとして活動するように促す。
  3. ビジョンの策定
    * 落とし穴:ビジョンが見えない
    ← 変革プログラムの方向性を示すビジョンを策定し、そのビジョンを実現するための戦略を立てる
  4. ビジョンの伝達
    * 落とし穴:社内コミュニケーションの絶対的な不足
    ← あらゆる手段を利用してビジョンや戦略を伝達する。また、推進チームが手本となって「新しい行動様式」を社内に伝える。
  5. 社員のビジョン実現へのサポート
    * 落とし穴:ビジョンの障害を放置してしまう。
    ← ビジョンの根本を揺るがすような制度や組織を変更する。また、リスクを恐れず、伝統に捉われない考え方や行動を奨励する。
  6. 短期適正化をあげるための計画策定・実行
    * 落とし穴:計画的な短期適正化が欠如している
    ← 目に見える業績改善計画を策定し、改善案を実施、改善を実現する。また、改善に貢献した社員を表彰し、報奨を支給する。
  7. 改善成果の定着と更なる変革の実現
    * 落とし穴:勝利宣言が早すぎる
    ← 勝ち得た信頼を利用して、ビジョンに沿わない制度、組織、政策を改める。また、ビジョンを実現できる社員を採用・昇進・育成する。さらに、新しいプロジェクト、テーマやメンバにより改革プロセスを再活性かする。それらによってビジョンの維持と、ビジョンに向かった持続的な改善・変革を図る。
  8. 新しいアプローチを根付かせる
    * 落とし穴:変革推進チームのリーダーシップが不十分である
    ← 新しい行動様式と企業全体の成功の因果関係を明確にする。新しいリーダーシップの育成と後退の方法を確立する。


感想
変革を推進していくためには、「議論」「ビジョンの周知」「遂行」「定着」が必要だということ。他に特に感じたものはなし。

[2月号]権力と影響力

タイトル
権力と影響力
Power, Dependence, and Effective Management

著者

ジョン P.コッター
John P. Kotter 

掲載
Februray, pp.10-15, 2010. (in Japanese Edition)

序文
無能なマネジーャは、会社から与えられた権限を「自分の権力」と勘違いする。有能なマネジーャは権力を上司や部下、同僚などに依存していると知っている。彼ら彼女らはいかにして権力を身につけ、どのように行使して影響力を発揮しているか。

要約
権力を獲得・強化する方法は四つある。
  1. 感謝や恩義を感じさせる
  2. 豊富な経験と知識の持ち主として信頼される
  3. 「このマネジーャとは波長が合う」と思わせる
  4. 「このマネジャーに依存している(守られている)」と自覚させる(・・・このマネジャーが管理している経営資源がないと自分は組織内で能力を発揮できない・仕事をできないと思わせる)
マネジャーが自ら管理しているチーム・グループ・組織にアプローチするときには、「説得」という方法以外に、こうした対人関係の中で獲得した権力を直接・間接的に行使する。

権力を賢く使うための教条は以下の通り
  1. 権力を身につけ行使する上でどのような行動ならば「妥当である」と周囲の目に映るのかに敏感である
  2. 周囲に好影響を及ぼすには権力や方法を使い分ける必要があることを直感的に理解している
  3. 権力獲得の四種類の方法、権力を行使する直接・間接的方法や説得という方法を状況に応じながらも用いる。どの方法においてもしかるべき状況においては行使を躊躇しない。すべて選択肢の中に入れておく。
  4. キャリア上の目標を定め権力によって成果を上げられる地位を求める。
  5. 持てる資源、公式非公式の権力を総動員して己の権力をさらに強化する
  6. 熟慮し、自制しながら権力志向の行動を取る
  7. 他人の行動やワークライフに目に見える形で影響を及ぼすことを不条理なことだとは思わない(「そうするべきものだ」と思っておく)

感想
 日本語で権力というとネガティブな印象で気こけてしまうけど、ここでは、要するにマネージしているチームの能力を最大限発揮するための「適度なRespect」を獲得・強化する方法を書いている。
 ポイントは、まあ、当たり前だが、相手が自分の意思で『この人に従おう』と思うように持っていくことだというのが根底にあるんだろうと思う。