タイトル
新しい動機づけ理論
Employee Motivation: A Powerful New Model
著者
ニティン・ノーリア Nitin Nohria
ボリス・グロイスバーグ Boris Groysberg
リンダ=エリン・リー Linda-Eling Lee
掲載
Feburary, pp.120-124, 2010 (in Japanese Editon)
序文
神経科学や生物学など複数の領域を横断する学際研究のおかげで、ほとんど旧態依然となっていた「動機づけ理論」にも進歩がもたらされた。すなわち、モチベーションと人間の「欲動」の関係が明らかになり、ここから新たなフレームワークが導き出されたのである。
要約
人の本質的な欲動(Drive⇒フロイトの心理学)として、以下の4つがある。人はこれら4つの感情のニーズに駆られる。
- 獲得への欲動
- 社会的な地位なども含め希少なものを手に入れること。他者との比較に基づいた相対的なものであり、際限がない。
- 絆への欲動
- 個人や集団との結びつきを形成すること。満たされた場合には、愛情や思いやりなど前向きな感情を、満たされなかった場合には孤独感やアノミー(モラルの崩壊)など否定的な感情を惹き起す。
- 理解への欲動
- 好奇心を満たすことや自分の周りの世界をよく知ること。人は自分の取り巻く世界の意味を理解することを欲する。逆に、意味の無いことをしていると感じれば欲求不満を覚える。単調な仕事や、先の見えている仕事(「作業の奥深さ・底の浅さ」)だとモチベーションは下がる。
- 防御への欲動
- 外部の脅威からわが身を守り、正義を広めること。「闘争か逃走」。「わが身」とは肉体だけでなく、アイデンティティ、財産、業績、家族、ビジョンや信念もさす。
これらへの満足へのアプローチは以下の四つである。
- 報酬制度
- 成績の優秀なもの、平均的なもの、劣るものの間で、はっきり差をつける。
- 業績連動型の報奨制度を導入
- 優秀な人材に対してさらなる成長の機会を提供する。
- 企業文化
- 社員の間に信頼と友情を育む
- 協力とチームワークを大事にする
- ベスト・プラクティスの共有を奨励する
- 職務設計
- 社員にとって有意義で面白みとやりがいを感じられるような職務設計をする。
- 社内で具体的かつ重要な役割を担うように職務設計する。
- 組織に貢献しようという意識が高まるように職務設計する。
- 業績管理と資源配分プロセス
- 公正であることの重要性を強調する。
- プロセスを「見える化」する。
- 報奨や人事など業績評価において公正かつ透明性を保つことで信頼を築く
感想
「欲動」という概念的な部分に議論があるとは思うが、まあ、でもこれら四つが「モチベーションと絡んでいる」というのは、おそらく事実だろうと思う(研究成果で関連が示されているらしいので)。それへの対策はある程度は具体的。さてさて、ここで上げられている企業文化。どうやって行なうよ・・・。ここが一番難しそう。とにかく、人の「感情」と深く根ざしている。「友情・信頼・公正だと思う・面白いと感じる・有意義だと思う・組織に貢献しようと思う」さてさて、これらの感情をどう扱うべきか。
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